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佐藤富徳が発明した特許出願リスト
 

◆ガス漏れ検出装置

(書誌+要約+請求の範囲)

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開平5−142088
(43)【公開日】平成5年(1993)6月8日
(54)【発明の名称】ガス漏れ検出装置
(51)【国際特許分類第5版】
G01M 3/38 7324-2G
G01N 21/31 Z 7370-2J
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願平3−62268
(22)【出願日】平成3年(1991)3月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 富徳
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内
(74)【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修



(57)【要約】
【目的】 工場内等において漏洩しているガスの漏洩量、位置、範囲等の情報を、複数の検出装置を備えることなく、遠隔した位置から可視化された情報として検出することができ、光源の設置にスペース面で有利なガス漏れ検出装置を得る。
【構成】 単一レーザー光源LSから波長の異なる二種のレーザー光L1,L2を発信し、監視対象域Aを透過した後反射されたレーザー光L1,L2を受信するとともに、このレーザー光L1,L2の発信強度と受信強度の差から、監視対象域Aにおけるそれぞれのレーザー光L1,L2に対する吸収度合いを検出し、これらの結果より漏洩ガスに関する情報を得、これを情報処理の後、二次元画像として表示する。ここで第一レーザー光L1としては、ガスgに吸収可能な波長を有するレーザー光が選択され、第二レーザー光L2としては、前記の第一レーザー光よりはガスgに吸収され難いレーザー光が選択される。



【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検出ガス(g)に吸収可能な波長を有する第一レーザー光(L1)を監視対象域(A)に対して発信する第一発信手段(E1)、及び、前記監視対象域(A)を透過して前記監視対象域(A)の背景により反射してくる前記第一レーザー光(L1)を受信する第一受信手段(R1)を備えた第一検出手段(S1)と、前記被検出ガス(g)に対して、前記第一レーザー光(L1)よりは吸収されにくい波長を有する第二レーザー光(L2)を前記監視対象域(A)に対して発信する第二発信手段(E2)、及び、前記監視対象域(A)を透過して前記監視対象域(A)の背景により反射してくる前記第二レーザー光(L2)を受信する第二受信手段(R2)を備えた第二検出手段(S2)と、前記第一レーザー光(L1)及び第二レーザー光(L2)をともに出力する、前記第一発信手段(E1)及び第二発信手段(E2)に共通の単一レーザー光源(LS)とを備え、前記第一検出手段(S1)及び前記第二検出手段(S2)により得られる前記第一、第二レーザー光(L1),(L2)それぞれの発信強度と受信強度の差としての第一、第二吸収情報を得る情報処理手段(S3)を備えるとともに、前記第一、第二検出手段(S1),(S2)が、前記監視対象域(A)に関する情報を二次元的に取り込むものであり、前記第一、第二吸収情報を二次元的に表示する表示手段(S4)を備えているガス漏れ検出装置。
【請求項2】 前記第一吸収情報に対する第一増幅率と前記第二吸収情報に対する第二増幅率をそれぞれ別個に調節する調節手段を備えるとともに、増幅後の前記第一情報および第二情報を合算した監視対象域情報を、前記表示手段(S4)に表示する選択情報処理手段を有する請求項1記載のガス漏れ検出装置。

詳細な説明

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、都市ガス製造工場、家庭等において配管系の接続部等より漏れ出す被検出ガスのガス漏れを検出するためのガス漏れ検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来構成のこういったガス漏れ検出装置は、この検出装置周辺における被検出ガスの濃度を検出することによりガス漏れの有無を検知する構成のものであり、使用に際しては測定しようとする箇所に装置を設置し、その地点のみの被検出ガスの有無を検知していた。そのため、例えば工場内の広い区域における漏洩状態(被検出ガスの量、あるいはタンク、配管等の特定位置といった漏洩特定点の位置)を知るためには、数多くの場所に前述のガス漏れ検出装置を設置して、漏れガス状況を把握していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来技術においては、例えば、現実に漏洩が起こってしまっている場合で漏洩箇所の特定ができていない状況において、漏洩箇所特定及び範囲確認のため、推定漏洩場所へ装置とともに人が入っていって漏洩位置を特定検知するのは手間と時間の掛かる作業である。さらに、例えば工場内の広い区域を検知対象とする場合、この方法では、非常に多くの地点にガス漏れ検出装置を設置する必要が生じ、コスト、管理等の面で問題があった。従って本発明の目的は、例えば工場内におけるタンク、配管等の周囲において漏洩しているガスを、多くの装置を設置することなく、瞬時に、遠隔した場所から検知することが可能なガス漏れ検出装置を得ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するための本発明によるガス漏れ検出装置の特徴構成は、被検出ガスに吸収可能な波長を有する第一レーザー光を監視対象域に対して発信する第一発信手段、及び、監視対象域を透過して監視対象域の背景により反射してくる第一レーザー光を受信する第一受信手段を備えた第一検出手段と、被検出ガスに対して、第一レーザー光よりは吸収されにくい波長を有する第二レーザー光を監視対象域に対して発信する第二発信手段、及び、監視対象域を透過して監視対象域の背景により反射してくる第二レーザー光を受信する第二受信手段を備えた第二検出手段と、前期第一レーザー光及び第二レーザー光をともに出力する、第一発信手段及び第二発信手段に共通の単一レーザー光源とを備え、第一検出手段及び第二検出手段により得られる第一、第二レーザー光それぞれの発信強度と受信強度の差としての第一、第二吸収情報を得る情報処理手段を備えるとともに、第一、第二検出手段が、監視対象域に関する情報を二次元的に取り込むものであり、第一、第二吸収情報を二次元的に表示する表示手段を備えていることにあり、その作用・効果は次の通りである。
【0005】
【作用】つまり、本願のガス漏れ検出装置は第一、第二検出手段、情報処理手段と表示手段とを有して構成されている。そして、両検出手段に共通の単一レーザー光源からともに出力された第一、第二レーザー光が、各検出手段において、これらの検出手段にそれぞれ備わっている発信手段により発信されるとともに、これが監視対象域を透過した後、背景において反射されて、再度監視対象域を透過の後、各検出手段にそれぞれ備わっている受信手段により受信される。(この透過過程において、検出対象領域に被検出ガスが介在する場合はレーザー光は行き、帰り二度吸収される。)そして、各検出手段において、そのレーザーの発信強度と受信強度との関係から、各レーザー光の監視対象域における吸収情報が情報処理手段により検知される。ここで監視対象域に被検出ガスが存在すると、第一、第二レーザー光に対する被検出ガスの吸収特性の差に起因して、情報処理手段により得られる第一、第二吸収情報間に差が生じる。さらに第一、第二検出手段においては、監視対象域に関する情報は二次元的に取り込まれ、情報処理手段により処理を受けた後、これが表示手段により二次元的に表示される。ここで、被検出ガスの存在は、ガス吸収の程度の差によって吸収情報の強度の差となって現れ、表示手段上に濃淡で現れる。さらに背景についてもその散乱係数の相違から同じく濃淡で表示される。
【0006】
【発明の効果】従って、本願のガス漏れ検出装置においては、こういった装置をガス漏れの中心部に配置して漏れを検出することはなく、遠隔位置よりレーザー光を照射して検出をおこなうことが可能となる。さらにレーザー光を使用するため、検出においてはこれを瞬時におこなうことができる。しかも、検出に用いる二つのレーザー光は、両検出手段に共通の単一レーザー光源からともに出力されるから、それら両検出手段に各別にレーザー光源を備えさせる場合に比して、光源設置のためのスペースを少なくして、装置のコンパクト化を画れる。さらに表示手段を備えているため、監視対象域の情報が画像情報として通常の背景画像上に被検出ガスが可視化されて表示される。作業者は、この画像を監視することで、背景と濃度を含めた被検出ガスの状態が同時に把握でき、漏洩元とガス滞留状況などが簡単に特定できる。即ち、このようにすることにより漏洩した被検出ガスの容量及び漏洩箇所を特定できるので、漏洩原因解明、保全対策を迅速に講ずることが可能となる。
【0007】
【実施例】本願の実施例を図面に基づいて説明する。図1には本願のガス漏れ検出装置1を使用して、ガス製造工場における貯蔵タンク2近辺のガス漏れの状況を検出している状態が示されている。即ち工場内で、被検出ガスとしての可燃性ガスgに対する監視対象域としての漏洩監視地域A内に、スクリーン3を建て、漏洩監視地域Aに対して、本願のガス漏れ検出装置1を配設して、可燃性ガスgの漏洩の有無を検知している状況が示されている。ここで、検出の概略構成を説明すると、ガス漏れ検出装置1から特定の波長を有する二つのレーザー光L1,L2が、漏洩監視地域Aを介して前述のスクリーン3に向けて発信されるとともに、このスクリーン3により反射されたレーザー光L1,L2が受信され、これらの発信レーザー光、受信レーザー光の強度状況から漏洩監視地域A内におけるレーザー光L1,L2の吸収状態が検出されて、ガス漏れの有無が判断されるのである。
【0008】先ず、以下に本願のガス漏れ検出装置1の構成について、図2に基づいて説明する。このガス漏れ検出装置1は、第一レーザー光L1を漏洩監視地域Aに発信する第一発信手段としての第一発信装置E1、及び、漏洩監視地域Aを透過して前述のスクリーン3より反射してくる第一レーザー光L1を受信する第一受信手段としての第一受信装置R1を備えた第一検出手段としての第一検出系S1と、第二レーザー光L2を漏洩監視地域Aに発信する第二発信手段としての第二発信装置E2、及び、漏洩監視地域Aを透過してスクリーン3より反射してくる第二レーザー光L2を受信する第二受信手段としての第二受信装置R2を備えた第二検出手段としての第二検出系S2とを備えている。そしてさらにこのガス漏れ検出装置1は、装置本体を漏洩監視地域Aに対して前記のスクリーン3に揺動させて走査させるための駆動装置4、前記駆動装置4の作動情報、前記第一検出系S1、及び、第二検出系S2からの検出情報(第一、第二吸収情報)を漏洩監視地域Aにおける検出位置と連係させて記憶する記憶装置5を備えている。さらにこのガス漏れ検出装置1は、前記漏洩監視地域Aにおける第一、第二レーザー光L1,L2それぞれの発信強度と受信強度の差である第一、第二吸収情報を得る情報処理手段としての情報処理系である演算装置S3を備えるとともに、演算装置S3により検出される情報を表示するブラウン管等の表示手段としての表示装置S4を備えている。ここで、第一、第二検出系S1,S2の情報取り込み状態は二次元的であり、表示装置S4による表示も二次元的に行われる。
【0009】ここで、第一発信装置E1と、第二発信装置E2は図2に示すように実質同一の装置であり、単一のレーザー光源LSにより同時に出力される複数の波長を有するレーザー光から特定の二波長λ1,λ2 が選択されて漏洩監視地域Aに向けて発信される構成が採用されている。単一レーザー光源LSとしては、例えば、炭酸ガスレーザーの2つの発振波長である10.6マイクロメートルと9.6マイクロメートルとを切り替えて用いるものや、図9に示すように非線形効果を利用した波長変換素子22を介装することで有機色素レーザー23の発振波長を変換して得られる図10に示す複数の高調波のうちから2つの波長を選択して用いるものが考えられる。また、その発振の制御については、例えば後者の波長変換を利用するものでは、光路に介装する2つのバンドパスフィルタを所定タイミング毎に切り替えるようにしてもよく、前者の炭酸ガスレーザーであれば時分割駆動すればよい。
【0010】一方、第一受信装置R1と第二受信装置R2は、検知部6を除いて事実上同一の受信検出系から構成されている。即ち図3に示すように、受信検出系Rにおいては受信されるレーザー散乱光Lを凹面鏡7により集光し、このレーザー散乱光Lがビームスプリッター8により波長λ1,λ2 の第一レーザー光L1及び第二レーザー光L2に分光され、それぞれ独立の第一、第二レーザー光検知部61,62で検知されるように構成されているのである。
【0011】以下に本願のガス漏れ検出装置1に於ける、第一、第二レーザー光L1,L2の波長λ1,λ2 の選定状況及び装置の原理について説明する。先ずレーザー光の選定状況について説明すると、第一レーザー光L1としては、被検出ガスgに吸収可能な波長を有するレーザー光を選定し、第二レーザー光L2として、第一レーザー光L1よりは吸収されにくい波長を有するレーザー光を選定する。さらに具体的に以下に説明する。図4に、メタン、プロパン、ブタン、イソブタンの照射赤外光の各波長に対する透過率(被検出ガスgの濃度を一定にして、照射赤外光の各波長をl00とした場合のデータ;100よりこの数字を引いたものが吸収率となる、)が示されている。各ガスに対してそれぞれ第一、第二レーザー光L1,L2を選定するとともに、いずれかのガスが含まれる可能性のある可燃性ガスを対象とした場合にも、これに併せて第一、第二レーザー光を選定すればよい。
【0012】次に、ガス漏れ検出装置1の作動原理を説明する。この処理は演算装置S3に備えられている情報処理系の処理内容である。今、レーザー光の光路上に検出対象である被検出ガスgが存在しているものと仮定する。第一レーザー光L1は、被検出ガスgによく吸収され、被検出ガス中を透過した場合レーザー光の強度は、Lambert−Beerの式で以下のように表される。
【数1】


It=Ii×exp(−a・p・d・c)×αここで、 It:レーザー光の受信強度Ii:レーザー光の発信強度a:吸収係数(atm-1・m-1)
p:気体圧力(atm)
d:レーザー光が被検出ガス中を透過する長さ(m)
c:被検出ガスの濃度(ppm)
α:背景におけるレーザー光の散乱係数従って、被検出ガスgの漏洩の大きさを示す量であるd・cは第一レーザー光L1に付いては、【0013】
【数2】(ここで、各レーザー光に関する数値については、最後尾に添字の1または2を付けて表示する。)となる。一方、第二レーザー光L2は、被検出ガスgがレーザー光の通過の途中に発生していたとしても、第一レーザー光L1に比較して吸収率が小さく、よく透過する。従って、レーザー光の通過途中に被検出ガスgがあってもレーザー光の強度は殆ど影響を受けない場合を想定できる。そこで、各レーザー光に対する送信側と受信側のおけるレーザー光の強度の差が、第一、第二吸収情報とされるのである。以上の処理が基本であるが、最も簡単な処理系は以下の様に構成できる。ここで、第一レーザー光L1が被検出ガスgに吸収されて、弱まったレーザー光の強度It1を検出し、さらに第二レーザー光L2が、被検出ガスgに若干吸収されて弱まったレーザー光の強度It2を検出する。第二レーザー光L2に対しては、その発信側強度、及び受信側強度に大きな差が生じない場合(散乱係数がほぼ1の場合)は、Ii2≒It2が成立する。さらに発信側における第一、第二レーザー光の強度比K=Ii1/Ii2を用いると、(Ii1−It1)/Ii1=(It2・K−It1)/It2・Kとなり、これを用いて、数1に適応することによりd・cを算出することができる。なお、ここで、It2・Kは背景についての情報出力であり、(It2・K−It1)とすることによって被検出ガスgの漏洩状態についての情報のみを出力することが可能となるのである。さらに、It2・Kで除算しているのは、正規化処理である。
【0014】以上は、漏洩監視地域Aにおける測定点各点における情報の処理方法であるが、本願のガス漏れ検出装置1においては、前述のように駆動装置4が設けられており漏洩監視地域Aを走査する構成が採用されている。そして、駆動装置4の位置情報、これに対応する漏洩監視地域Aの位置情報、およびこれらの位置に対応した前述の被検出ガスの漏洩状態の情報が、記憶装置5に連係記憶されるとともに、図5に示すようにこれらを画像処理して表示装置S4に表示される。ここで、表示にあたっては、第一吸収情報と第二吸収情報の増幅率が可変とされており、通常の状態においては例えば、被検出ガスgによるレーザー光の吸収が行われた側の映像が常時ブラウン管に表示されているのである。普通、作業者は、映像の正常状態を記憶しており、ブラウン管に表示される情景が通常のものと異なっていればこれに気付く。そして、この段階で前述の増幅率を変化させて、第一吸収情報から第二吸収情報を除くようにそれぞれの情報の増幅率の調節が行われる。このようにすると、ブラウン管には検知対象のガスgのみが写し出されることとなり、背景、および被検出ガスgの二次元の位置関係からガス漏れの範囲、位置等を確認することが可能となり、さらに映像の濃淡の状態から被検出ガスgの濃度を知ることが可能となるのである。ここで、第一、第二吸収情報に対するそれぞれの増幅率を、第一、第二増幅率と呼ぶ。演算処理としてはそれぞれの増幅済の情報を合算処理することとされている。この合算済の情報を監視対象域情報とよび、この処理をおこなう構成を選択情報処理手段と称する。このようにして、順次、漏洩監視領域Aに対して二つのレーザー光L1,L2を利用してガス漏れの有無を検知、走査していくことによって、それぞれ出力として検出される情報を表示装置S4に濃淡あるいは配色によって表示し、作業者がガス漏れの有無を可視情報として、遠隔地から検知できるのである。
【0015】〔別実施例〕本願の別実施例を以下に箇条書きする。
(イ)上述の実施例においては、受信検出系としてビームスプリッター8を利用する例を示したが、これは図6、図7に示す回転円盤フィルター10を利用するものとしてもよい。さらに詳細に説明すると、図7に示すように受信検出系は、凹面鏡7により集光されたレーザー散乱光Lが、図6に示す各々半円形の第一、第二フィルター部11、12を有する円盤状フィルター10をモーター13により回転により分波され、この回転に同期して第一、第二レーザー光L1,L2成分を検出することにより、それぞれのレーザー光の強度が測定される。
【0016】(ロ)上述の実施例においては、監視対象域Aの背景としてレーザー光の確実な反射を得るためスクリーン3を設けるものとしたが、これは第二レーザー光L2が被検出ガスgに若干吸収されて弱まったレーザー光の強度It2が非常に小さくて検出不可能なことのないように、ある程度のレーザー光線の散乱係数を保証するためである。ここで、スクリーン3としては、第一、第二レーザー光L1,L2に対してその散乱係数が、できるだけ均一にものを選択するのが好ましい。しかしながら、散乱は均一であることが望ましいが、ある程度以上の数値であれば、被検出ガスgの漏洩の有無は検出できる。従って、この範囲にある場合は、特別のスクリーン3がなく背景が工場内の自然状態であっても、被検出ガスgの漏洩の有無が検出可能であり、工場内の背景の状態に因っては、スクリーン3は不要となる。
【0017】(ハ)さらに背景は一般に静止しているのに対し、漏洩した被検出ガスgは、流動する。従って、異なった時間における本願のガス漏れ検出装置1で可視化した映像情報を比較分析することによりガスの漏洩の状態を把握できる構成を採用することもできる。
【0018】(ニ)上述の実施例においては、発信側においてレーザー光を漏洩監視地域Aに対して走査する構成を示したが、面発光させたレーザー光を漏洩監視地域Aに対して一度に照射するとともに、受信側においてイメージセンサーにて反射光を一度に受信する構成とすることも可能である。
【0019】(ホ)上述の実施例においては、駆動装置4により第一検出系S1、第二検出系S2を備えた本体部位を移動させる例を示したが、この場合装置が大掛かりとなる場合もある。そこで、上記の本体部位を固定化し、且つ発信系により発生されたレーザー光をミラー20により走査させることが考えられ、この場合は装置が小型化する。図8にこの構成を示す。この例においては、発信系において発信される第一、第二レーザー光L1,L2は、ミラー(駆動されるミラー)20に至り、ミラー駆動装置21により、ミラーが回転等により駆動されることにより、第一、第二レーザー光L1,L2は、監視対象域Aに対して走査される。
【0020】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。

 
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